むき出しのコンクリートの屋上では昼間は60℃にまで温度が上昇し、夜には30℃前後まで一気に下がります。このような状態が続いていると、屋上スラブ(コンクリート)は熱膨張縮小を繰り返して亀裂が生じてしまいます。
そこから酸性雨が浸み込み、空気が進入してコンクリートの酸化、劣化を早めることになります。亀裂が鉄筋に到達すると赤錆が腐食させ膨張して鉄筋体積は膨らみます。
一般的な屋上の仕様は、屋上スラブの上に防水層があり、その保護のために押えコンクリート層などの保護層が上に施されています。そのため、防水層に日射による熱、紫外線、酸性雨などが当たらないことにより、防水層が劣化していくのを抑えています。
屋上緑化する場合は、押えコンクリートなどの保護層を施工した上で緑化してもいいのですが、屋上の荷重制限を考えると難しいため、最近では押えコンクリートの代わりに、植栽基盤(衝撃防水層、対根層、保水・排水層、フィルター層、土壌層など)にこの保護機能を持たせるシステムが開発され、施工されています。
このように、屋上緑化による建築物の保護効果は、直接的には防水層の保護と考えることができ、間接的にはその下の屋上スラブも保護していることとなります。
そのほかの屋上緑化の効果
大気浄化効果
大気浄化効果は、ガス交換によるものとフィルター機能によるものとに大別されます。大都市では、地上部分に新たに緑化を施すことは困難となっていますが、屋上緑化によって緑を増やすことによりこれらの効果が高まると期待されています。
省エネ効果
屋上コンクリート層から屋内への熱の流入量はほとんどゼロになり、エアコンなどによる冷房負荷の節減になります。
輻射熱の低減効果
高層ビルなどでは低層棟の屋上からの輻射熱の影響も受けます。しかし、低層棟の屋上が緑化されていれば、植物自体が蒸散しているために、緑化部分の温度はそれほど高くなく、輻射熱が少なくなります。
雨水貯留・遅延効果
土壌体積比で最大40%程度の雨水貯留効果があります。もう一つの効果である、雨水排水遅延は、植物体や土壌の層を水が浸透するまでに要する時間によって決まります。
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