屋上緑化の四季

屋上緑化には都市全体での雨水排水量の低減につながる効果が期待できます

2008年に入り、テレビなどで「ゲリラ豪雨」という言葉を聞く機会が非常に増えています。都心では、ヒートアイランド現象の影響などによって、このような短時間の集中豪雨に見舞われる頻度が高くなってきているのです。

非常に短い時間のうちに想定をはるかに超える降水量に達するため、下水道の排水能力を超えてしまい、地下街などに水が浸入したりする、いわゆる「都市型洪水」による被害が多く起きています。

下水道の排水能力の向上や、遊水施設の設置などによる対症療法は、整備されるまでに時間がかかるうえ、多額の費用もかかるという問題があります。

そこで、こういった対症療法的措置に加えて、都市全体での雨水排水量の低減という視点での対策が求められるようになってきています。例えば、屋根に降った雨を集めて地下の貯水タンクに貯めるような雨水貯留システムは、同時に雨水排水量の抑制にもなっているため、排出抑制にも効果があります。

これと同じような効果が、屋上緑化にも期待できます。屋上緑化には、雨水貯留の効果と、雨水排出の遅延効果という2つの効果があります。屋上緑化に用いられているような、あまり締め固めていない土壌は、体積比で最大700%近くの水を保持することができます。

しかし、土壌を構成する物質と強固に結びついている水は、通常は移動しません。自然の状態で移動する水(有効水分量)は体積比の20~40%程度までです。これが屋上緑化に期待できる最大の雨水貯留量ということになります。

もう一つの効果である、屋上緑化による雨水排水遅延は、植物体や土壌の層を水が浸透するまでに要する時間によって決まります。したがって、植物がよく茂り、土壌厚の大きなものほど効果が高いということになります。

そのほかの屋上緑化の効果

大気浄化効果
大気浄化効果は、ガス交換によるものとフィルター機能によるものとに大別されます。大都市では、地上部分に新たに緑化を施すことは困難となっていますが、屋上緑化によって緑を増やすことによりこれらの効果が高まると期待されています。

省エネ効果
屋上コンクリート層から屋内への熱の流入量はほとんどゼロになり、エアコンなどによる冷房負荷の節減になります。

輻射熱の低減効果
高層ビルなどでは低層棟の屋上からの輻射熱の影響も受けます。しかし、低層棟の屋上が緑化されていれば、植物自体が蒸散しているために、緑化部分の温度はそれほど高くなく、輻射熱が少なくなります。

建築物の劣化防止効果
昼夜の温度差と、それによって生じる伸縮により、屋上の押えコンクリートやアスファルト防水層などの建築部材は劣化が進みます。屋上緑化をすることで温度差をほとんどなくし、劣化を防ぐことができます。